2019年05月27日

フェデリング「信頼の証」

こんにちは。
5月より伊勢丹本館店に配属されました、K.S.です。
ブログを通して、皆様にアンティークの魅力をお伝えできればと思います

第1回目にご紹介するのは、こちら。

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手と手を取り合っているデザインが特徴的なリングです。
現代ではあまり見かけないデザインですが、12世紀から18世紀にかけて作られた、伝統ある細工です。


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"fede"はイタリア語で信頼を意味し、
「信頼・忠誠」の証として、婚約・結婚指輪として用いられてきました。
フェデリングを身に着けた愛し合う夫婦の手と手を取り合う姿が、想像できます…。

そんなロマンチックな意味を込めたリングですが、
一つ、別の意味も込められている細工がされています。

握られた手をほどくと…


G3200 11OPD1.jpg


なんと、その下に小さなロケットが隠されているのです。
何のために存在しているのでしょうか?
以下の用途に使われたのではないかと、考察できます。

●相手を想う為の「ロケット」
●暗殺・自害を目的とした「ポイズンリング」

●「ロケット」の意味
昔から遠く離れた相手や、故人を偲ぶ意味を込めて、
ロケット内(=蓋の中)に相手の肖像画や、髪の毛を入れて身に着ける風習があります。
これは愛の証しとして、フェデリングの意味にも密接にリンクします。

●「ポイズンリング」の意味
中世ヨーロッパの権力者は、常に命を狙われていました。
毒薬をロケット内に隠し、死に至らしめる道具として…
また、貶められ拷問を受ける前に自害する目的として…
そんな目的で使われたこともあります。


G3200 14S2.jpg


…と、少し怖いお話しをしてしましましたが、
ポイズンリングの名前の由来である毒にとしての使い方は、
19世紀に入る前には廃れ、名前だけが伝わりました。

こちらのフェデリングは20世紀初期の物ですので、
ご安心くださいませ。


誰が、どんな時に、どんな思いを込めて使ったのか…
そんな想像を膨らますのも、アンティークの楽しみ方の一つです。


ぜひ店頭でお手に取っていただき、繊細な職人技を感じてみてください。

皆様のご来店、お待ちいたしております。






by K.S.






G3200
フェデポイズンリング
20世紀初期 18K
280,000円+税


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2019年05月20日

マルティーズクロス ネックレス

こんにちは!

早いものでもう5月も下旬、
沖縄では先週梅雨入りしたそうです

本州が梅雨入りするのは6月中旬頃の見込みとか。。。
それまで気持ちの良い新緑の季節を目一杯満喫したいもの
新宿近辺では、今ちょうど新宿御苑のバラ園が見頃です!
5月末まで楽しめるようなので伊勢丹にお越しのついでにぜひぜひ


さて、今日はこちらのジュエリーをご紹介します。


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I532
19世紀中期/ルビー、ダイヤ、エナメル、18K、9K
¥680,000+税



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艶々したホワイトエナメルに
ダイヤとルビーがあしらわれています。


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一見石を金で囲ったコレットセットのようですが
よく見ると小さな爪で石を留め、
帯状の薄い金を花びらのような形のフレームとしてあります。


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横から見るとよくわかりますが、
金のフレームがモチーフ全体に厚みを持たせてくれています。

ジュエリーは正面からのデザインにのみ目が行きがちですが
この「厚み」という要素も実はとても大切。

特にエナメルはガラス独特のフラットな艶が、
ともすると平坦に見えてしまいますが
このフレームによる厚みが層となり、
立体感と奥行きを感じさせる作りになっています。


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エナメルのコンディションもとても良く、
白と赤がパッと目を惹くネックレスです。


ちなみに、タイトルにある「マルティーズクロス」というのは
「マルタ十字」というこのクロスのデザインの呼称です。

地中海に浮かぶマルタ島(マルタ共和国)のシンボルのひとつであり
マルタ騎士団というキリスト系カトリックの騎士修道会の象徴として使われていたものですが、
近世以降のヨーロッパでは勲章のデザインとして多く採用されています。
3大時計メーカーのひとつであるヴァシュロン・コンスタンタンのロゴとしても有名ですね!



I532 05D2.jpg

ジュエリーとしてはほど良い大きさもあり、
1点着けるだけも個性的なアクセントになってくれるデザインです。

シンプルな装いにも映えますが、
柄物など華やかな雰囲気にも負けない素敵なネックレスです

ぜひ店頭で一度お手に取ってご覧下さい。



M.S




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2019年05月13日

「七宝の額縁を持つ時計」

こんにちは。

今回のご紹介は久々に1930年代の時計です。
相変わらずこの年代の時計で状態の良いものを見つけるのは至難の技ですが、
この時代ならではの手の込んだ細工には他に変えがたい魅力にあふれています。




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当時アメリカでも有数の高級宝飾店の手によるもので、
ムーブメントはティファニーの時計も担当したスイスの工房のものを採用しています。




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特徴的なのはベゼルのエナメル装飾。
2mmほどしかない幅の中に3列の溝を彫り[白、黒、白]の釉薬をかけて焼き上げる
という大変に緻密な作業を経て仕上げられたもの。
四隅の葉模様の装飾はさらに細かい仕事ぶりで、あたかも名画を収めた
額縁のごとし。匠の技に脱帽です。




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もちろん仕事の細やかさはベゼル部分に留まらず、ケース全体に及んでいます。



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こちらはサイド部分です。端から端まで美しい装飾模様が彫刻されています。




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反対側も同様で、通常交換されていることが多いリューズまで当時のままです。
ゼンマイを巻き、針を合わせるための実用的なパーツですら可憐な花のよう。




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こちらは裏側です。着用時には全く見えない部分もご覧の通りの仕事ぶり。




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バックルは時計の純正とは断定できないものの、同じ年代のスタイルの物が付いています。
スナップ式になっていて、リボンの上をスライドさせることで簡単にサイズを変えることができます。
極々小さいパーツですが、ここにもパール状の連続模様の細かい細工が見られます。




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一般的にこれだけ手の込んだ細工を施した品となると、
美しいけれども、伝統的な荘厳さといったイメージが強くて、
実際に身に着けるには躊躇してしまう。という声も聞こえてくるものですが、
この時計がすばらしいのは、ケースの形状自体は極々シンプルな長方形で、
ダイヤルもシンプルな正当派のデザインのため、装飾過剰といったような、
使用に戸惑いを覚える要素が無いことです。




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このような時計を見ると、時代を超える力を持った品々の魅力と
それを作ったメーカー、職人の意識の高さを認めざるを得ません。

ぜひご覧になってみて下さい。









by M.A.

A13544
スポルディング
1930年代 
18KYG
640,000円+税





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