2023年05月30日

リング「ハイブリッド・スタイル」

こんにちは。

今回はリングのご紹介です。



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アンティークならではの魅力にあふれるジュエリーとして、こちらでも数多くご案内してきた
プラチナワークのリングですが、今回のものはちょっとレア度が高いかもしれません。

プラチナワークのジュエリーの多くは20世紀初頭の数十年間、
スタイルで言うと、エドワーディアンスタイルとアールデコスタイルのものが大半を占めます。



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参考画像

王朝時代の植物文様をベースにした優雅な曲線が特徴のエドワーディアンスタイル。


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参考画像

古典を取り入れながらもモダンにアレンジしつつ、幾何学的な線が魅力のアールデコスタイル。

どちらもプラチナという素材を活かした繊細な細工が魅力のジュエリーです。

スタイルとはある日を境に一斉に切り替わるものではないので、2つのスタイルの特徴が
移り変わりながら共存しているジュエリーをこれまで何点かご紹介してきました。
そして今回のリングもそういうジャンルに属するものの一つです。



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ただこれまでご紹介してきたものとちょっとニュアンスが異なるのは、
時代と共に移り変わっていく流れを感じるというよりも、それぞれの特徴の
魅力と感じる要素を選んで、あえて組み合わせたような並立した感じがあることです。




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参考画像

プラチナ自体は19世紀後半から試行錯誤しながら使われてきました。
ただ流通量が少なく金以上に高価な素材であったことも影響してか、
プラチナの特性が必要な部分のみに使用し、ベースは金を使用したものが少なくありません。
そのため19世紀末から20世紀初頭の初期の頃にはプラチナとゴールドの地金を組み合わせて
使用したものも多く見られます。



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参考画像

その後プラチナが市民権を得て広がるにつれ、プラチナのみ
を使用したものが多くなり、アールデコ全盛期にはそちらが主流となっていました。



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こちらのリングのデザインを見るとアウトラインは完全にアールデコのものです。
正面の直線で形作られた本体部分から、サイドで角度を変え直線のまま幅が狭くなってゆく。
フレーム部分には装飾的な凹凸が一切なく、幾何学手なシルエットは近代的なイメージです。




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ところがこのモダンさに反してベースはゴールドを用いており、
ダイヤモンドがセットされた装飾部分にのみプラチナが使用されています。
また装飾部分以外の輪の部分に関しては細いものが殆どですが、
こちらは輪のエンド部分までかなりの幅を持たせておりとてもモダンな印象があります。




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そして主役たるプラチナワークの部分です。
外周についてはメレーダイヤを一列に並べ額縁のような役割を果たしています。
中央部には大粒ダイヤモンドが作善と輝きを放ち、その両サイドに細かなレースワーク。




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とここまではまさにプラチナワークらしい造りなのですが、その模様をよく見ると
アールデコの特徴らしき幾何学的なものほとんど見られず、伝統的な植物文様や
リボンなどをイメージさせる、有機的な曲線を描くモチーフで構成されています。




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側面の透かし細工の部分にようやく双方の雰囲気を併せ持ったデザインが見られます。



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そして90度角度を変え、輪部分の側面から見るとここに初めてアールデコらしい
幾何学的な透かし文様が確認できるのです。

これまでご紹介したものには、時間の移り変わりを感じるような融合型
とでもいうべき特徴を見ることが多かったのですが、こちらに関しては
2つのスタイルがそれぞれ独立した状態で共存しているという表現が
ふさわしいように思います。



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デザインから推測するに192,30年代位のものと思われますが、
センターの大粒ダイヤモンドには底面のキューレットがしっかり見られる
オールドヨーロピアンカットを。それ以外にはクラシカルなローズカットを使用。
当時の流行りからするとあえて一時代前の要素を取り入れ、単に流行に乗るのではなく
伝統的な美の基準を大切にしつつ上手に現代性とのバランスを取っているようです。




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異なる二つのものを合わせて、新たな魅力を作り出すもの。
現代当たり前のように耳にするになった「ハイブリッド」という言葉ですが、
こんな1世紀以上前のジュエリーにそのような要素を感じるとは思いませんでした。
デザインした人、作った人のこだわりは今なおしっかり輝いています。
ぜひ指を通してみてください。




by M.A.




G3511
リング
20世紀初期
ダイヤモンド PT K18


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